6つの「活用力」
今は「活用力」という言葉が盛んに言われますが、そもそも「活用する力」とは何でしょう?私は6つあると思っています。
1つ目は、「深める力」(発展)。例えばマッチ棒で正方形を作ります。正方形が5つならマッチ棒は全部で何本でしょうという問題を出します。その後で、もしも正方形が100個になったら?とか、もしも三角形だったら?と自分でどんどん条件を変えていって、最初のきっかけの問題を、自分で深めていく力です。国語でしたら、何かの本を読んだ後に、同じ作者の書いたほかの本を読みたい、というのが深めていく力ですね。それが活用力の一番大切なところだと私は思います。
2番目は、「広げる力」(応用)です。最初のきっかけを教室(授業)で勉強したら、それに関わるものを全部知りたい、調べてみたいと思う力ですね。算数で言えば、1ダースという言葉が登場したら、ダースって何だろう?と思い、調べる。1ダースが12なら、今度は12ダースでは何て言うんだろう?と調べる。12ダースは1グロスです。それなら12グロスは何て言うんだろう?他の単位はどうだ?と追究意欲が広がっていくこと。要するに応用力ですね。この2つは似ているけど、最初の深めるというのは発展させる力で、広げるというのは応用力なんです。
3つ目は「使える力」(適用)、適用力です。これは、学校で勉強したものを日常のものごとに置きかえる力のことですね。円周率の勉強を算数で習ったら、それを使って運動場にトラックを描いてみる。セパレートコースだったら、どれぐらいスタートラインに差をつければいいのか、とかね。そういう現実問題に置きかえて考えていく力というのがあります。ひとつが考えられると、こういう場合は?とまた別のアイデアも生まれます。そうなると子どもは面白くなるんですよね。
4つ目は、「つなげる力」(関連)。関連させる力です。つなげる力とは、算数でやったことと理科でやったこととが、もとを辿れば同じことじゃないかというように、つなげて考えることが出来る力のことです。反比例などの学習とてんびんの学習などに密接につながっています。また関連させる力とは、算数でやったことが社会科でも使われているという事に気付くことですよ。算数の割合の中で学習する「帯グラフ」は、社会科でも出てきますね。算数と社会科は関連しているということですよ。そう考えると、それぞれの教科をいろいろつなげていくことができる。つなげる力、関連させる力とはそういうことです。
5つ目は、「作れる力」(創作)。これは、自分で物を作るとか創作する力です。実際に立方体の模型で作って、展開図を考えてみよう、というような活動です。
6つ目は、「よめる力」(分析)。分析する力ということも大切です。グラフを読み取り、その先を読む(予測)するとか、いろんな条件を加味した上で先を読むような力です。
今お話した6つの、すべてが活用力だと思います。これらを、先生が随所に授業の中に入れていく。そういうことが、今後問われてくるんじゃないかと思います。
6年生で全国学力調査をやるから、5年生の1年間を必死になってやるという学校が多いけれども、1年間だけの、一夜漬けみたいなことをやっても力はつかないと思います。本当は1年生から積み上げていくものなんですよね。これからは、授業のやり方を1年生から少し見直すことが大事だと思います。
1年生の先生というのは大事だと思うんですね。よく3、4年生くらいから算数が好きになるとか嫌いになるとか言われますけど、本当は1年生の初っ端が一番大事ですよ。算数でいえば、1年生に数学のすべての原点が集約されていると思うんです。1年生の授業を面白くやるかやらないかで、大きな違いが出てきますよ。数を読むとか、たし算やひき算をやるだけが算数だというイメージが1年生の時についてしまったら、非常につまらなくなってしまう。子どもはそのイメージをずっと引きずっていくんですよ。だから最初の先生の取り組みようで、好き嫌いは大きく変わると思いますよ。
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