授業力のアップを
私も外に出向いて行って、校長先生からいろいろお悩みを聞く機会も多々ありますけれども、ひと言でいうと教員の「授業力アップ」を期待しているんです。先生の授業力アップをいかに計るか。これが学校管理者の最大にやりたいところじゃないでしょうか。国や各都道府県市町村の自治体がいろいろな施策を考えるのも、先生の力量をアップさせたいという気持ちがあるんです。
今年4月に、全国の小学6年生を対象とした悉皆の調査(全国学力・学習状況調査)が実施されました。国語・算数ともにA問題・B問題とありましたが、B問題のような内容は、普通の授業の中ではやられていないことばかりです。説明を要求するような問題形式や、試行錯誤して答えを出すような、考える力を必要とする問題です。ここにある意図は「子どもたちにそういうことが出来る能力をつけたい」「現場ではもっとそういう授業をしなさい」ということです。先生方がただ教科書を読んで、知識を伝えるだけの授業でなくて、もっと内実のある授業をして欲しいというのが最大の期待なんです。これは日本ばかりではなく、アメリカでも先生の授業力アップが期待されています。もっというと発展途上の国でも、もっともっと先生の力を上げたいと感じていますよ。
日本の今の状況で言うと、今まで頑張って先生を続けてきた団塊の世代がここ数年でいなくなってしまうわけです。そして若い先生に、学校教育、いや、教育全体が移っていくのですが、折角今まで積み重ねられてきた経験が、うまく若い先生に生かされないんです。若い先生が勝手にやると、いい授業というのがなかなか出来ないんですね。今は大きな過渡期にあると思います。だから校長先生や教育委員会の方々は研修会を増やすなどの試みを行っていますが、それらは全て「授業力をあげたい」ということに尽きるわけですよ。現実に校長先生のお話などを聞くと、なかなかいい授業が出来ない先生も多くなってきて、大変なんですよということを聞きます。
校長先生の指導だけではなかなか行き届かない。要するに経験豊かな先生方との繋がりがうまくいかないから、いい教育の仕方が伝わっていかない。そのようなことが日本の現実にあるわけです。しかし一方では、授業研究などをたくさんやって、優れた授業力を持つ先生も出てきてるわけです。海外からもそういった授業研究は注目されているんですよ。
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